色々感想

まんがまんがまんが!


進撃の巨人 1巻・2巻

進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)

進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)

進撃の巨人(2) (講談社コミックス)

進撃の巨人(2) (講談社コミックス)

遅ればせながら。あちこちブログでよく表紙画像をお見かけし「流行ってるなあ。(表紙からして)ギャグ漫画かなあ。」などと考えていたところ、縁あって某書店でお試し版を一読。逡巡2秒でレジ直行。なんでこれをギャグと思った私。人間を捕食する謎の『巨人』に脅かされる人類の抵抗劇。巨人たちの造形がシンプルなのに怖い。キモイ。キモくて怖い。人のかたちをしているのにコミュニケーションの余地はない。ただ笑顔で人を食う(not比喩)様には、大きさだけではない根源的な恐怖を感じる。


そんな巨人を前にしても生きる意欲を失わないどころか、本気で巨人の殲滅を目指す主人公・エレンが危うくも頼もしい。ミカサとの過去話は凄まじかった。ミカサの生きる理由はエレンだとして、エレンが過去の時点から持っていた、迷いのない攻撃性は何に由来するのだろう。そしてこれだけ死に至る人間の流血の多い漫画でも、読後に少年漫画!という感じがするのはなぜだろう。人間関係や物語自体の謎も魅力的で、わくわくしながら二冊読み切りました。めちゃめちゃ続きが気になります。



路地恋花 2巻

路地恋花(2) (アフタヌーンKC)

路地恋花(2) (アフタヌーンKC)

相変わらず可愛らしい表紙ににこにこしてしまう。京都の路地に住む職人さんらの恋愛短編連作第二巻。今巻も楽しく。個人的には『花屋一松』がとても好み。無節操に人に優しくすることは優しさではないのよ、とばっさり切った上で、それでもその人の本質が優しいことには変わりないと、肯定的な描かれ方をすることが嬉しい。そして双方筋金入りのオチも笑った。まあ人間のサガというものがまずあるよね!!けど人間関係はそこからだよね!!それなりに"お友達から"うまくやったらいい。作中あまりなかった『夏菊』ナオミちゃんと、長屋住人の隣人ぶりの見られるプロローグもよかったです。



HER

HER(Feelコミックス)

HER(Feelコミックス)

怖くて可愛い女の子たちの日常短編オムニバス。彼女たちが日々に感じるちょっとしたことが妙に響くのは、私も女だからだろうか。どのお話も魅力的で恐らくこれから何回も読み返すとして、そのたびに自分の立場・状況・気持ちによって感想が変わって来るのだろうなという予感がするお話たち。全編好きですが、初読の時点では特に4、5、6話にやられた。先日読み返したときには『世界の決まり』に落ち着かされた。最近読み返したときには『娘のすべての幸福も災厄も(略)』に再度やられた。自分に比して読んだりそうでなかったり。今後も多分度々楽しませて頂く予定です。好きだなあ。



シュトヘル 3巻

シュトヘル 3 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

シュトヘル 3 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

シュトヘルを救うために立ち上がるユルールがよかった。力及ばず救えはしなかったものの、決意を感じさせる表情と行動が本当によかった。そして前半でハラバルが、弟を大切にしすぎていることと、自分とシュトヘルを重ねて語るところに非常に切ない気持ちにさせられた。ユルールとハラバルの再度の対峙が楽しみなような悲しいような。あとは大ハンの若かりし頃にときめきました。大王様!!酷い酷い怖い怖いかわいい(一息で)。シュトヘルが憎しみを残して去り?スドーがやって来て、玉音同への追手が来襲。大ハンが文字を憎む理由もそのうち明かされるかしら。続刊楽しみです。



将国のアルタイル 7巻

将国のアルタイル(7) (シリウスKC)

将国のアルタイル(7) (シリウスKC)

ムズラク兄弟に(略)!萌え話は果てがないのでさておき。帯の『エキゾティック喧嘩上手!』に爆笑しつつ、今巻のメインである会戦の描写が非常に面白く。戦記物に興味があるわけではないので、時折全体図が出るなどわかりやすく説明してもらえると楽しみやすくて、とてもありがたい。少し残念に思うのは、バラバンの慢心が大きく勝負を左右した要因であったという点で、本当に彼我の軍隊に力の差があるとき、マフムートはどう戦うのだろうか。今後の帝国との争いの中で、そういう場面も出てくるのだろうか。次巻は経済の戦いとのこと。楽しみです。帝国側ももっと見たいなー!