本のこと

ガセネッタ&シモネッタ (文春文庫)

ガセネッタ&シモネッタ (文春文庫)

何冊目かの米原万里。まだまだ全冊読書には遠く楽しみは増すばかり。エッセイ集ですが、短いエッセイのほかに対談ややや長めのエッセイなども収録してあり、よく言えばバラエティに富み、悪く言えば統一感の無い一冊。こういうごった煮感も話題が多岐に渡る本書を象徴しているようで面白いと言えば面白いです。今のところ読んだ彼女のエッセイを大雑把に分けるとすると、『通訳・翻訳に関する持論』と『諸外国(特にロシア)に関するお話』といったところだと思いますが(双方にマジメな話・面白話・下ネタ含む)、どちらのお話も女史のロシア語同時通訳という経験に根ざしたところから生まれていて、興味深いです。


同時通訳のお仕事というのは頼まれる仕事が医療系だったり宇宙工学だったり核燃料だったり金融だったりと多岐に渡るため、事前にそのジャンルで必要となりそうな膨大な量の言葉を準備して臨むそうです。しかしそれでもわからない語はあると。知らない概念は訳せない、なので勉強する。言われてみれば当たり前のことなんですが、わからないということに悶々と悩むばかりの自分にはそういう発想が新鮮でありました。すいませんこれはこの本に限った話題ではありません。エッセイ随所に出てくる。そしてその、自分の普段興味を持っていること以外についての学習で読む本が存外に面白いと。


またこの本のことを言えば、掲載雑誌の異なるエッセイが同時に収録されているため、一部同じ話題を繰り返す箇所などもあります。ただしそういう部分も作者が本当にその点に興味を持っているんだなと思うと、楽しく読むことができます。今冊中では英文学者・柳瀬尚紀氏との対談と、『芋蔓式読書』が特に興味深かったです。えへへ楽しい。次はどれを読もうかしら。



時をかける少女 絵コンテ 細田守

時をかける少女 絵コンテ 細田守

時をかける少女 NOTEBOOK

時をかける少女 NOTEBOOK

絵コンテは買ったのでNOTEBOOKはいっかな!とか思っていたんですが先日地元書店で見つけて立ち読んだら即買いでした。ハマると関連本のことごとくが欲しくなってしまうのは自分の悪癖ですが、うっこの内容なら家でゆっくり読みたい!と思ってしまった。絵コンテ集は文字通り完成作品の元となった絵コンテを収録してありまして、全話全シーン絵コンテなので量が膨大です。対するNOTEBOOKはそれとはまた違った意味で膨大な量が。映画の中からカットをいくつもと美術設定やらキャラクター設定やら関係者へのインタビューやらもうぎっしり。どちらにも共通しているのは膨大な情報量とともにもう1点。ネタバレだらけなので鑑賞前の方にはお勧めできません。


てゆっか個人的に何が買う決め手になったかって言ったら、美術設定とあとカラーの千昭がたくさん見られるという点なんですけど。あーもうすいません!ちあき!ちあき!!(やかましい)あと、キャラクターデザインの貞本さんが「油断すると渚カヲルになるので難しかった(笑)」とか言うのもツボに。できるだけみんなそこはツッコまないでおいたところを(そうでもないか)アナタ自ら…!笑いました。ちなみに動画で見るとカヲルくんにはあんまり見えませんでした。不思議。


上映館が少ないのであんまりおおっぴらにキャー!というのは避けようと思っていたのですがすいません耐えきれなかった…。上映館も徐々に増えてきているようなので大丈夫かしらとは思うのですが。10月以降に上映開始するところもあるようで嬉しい限り。
・映画サイト:http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/
また観たい。