土曜出勤

色々終わらなくて会社に行きました。仕事っていうか何か雑事をこなしに。誰もいない空間は何かよかったが怖かった。…たまに人が来るとヒッ!何か居る!となる。ホラー映画な静けさでした。

おともだちと長電話して随分浮上。ありがとした !



僕から君へ文庫版  羅川真里茂
雑誌初掲載が七年前とかで。とすると近年自分が読んだのは再掲とかだろうか。再掲万歳。
表題作のタイトルを覚えていたので背表紙を見て即買いでした。すごかった。

それぞれ『田舎』がキーワードとなるらしい、作者曰く「田舎四部作」のうち三作が収録。(四作目は平成十四年時点で未発表とのこと・こないだメロディ掲載の『朝はまた〜』とかそうかな。違うかな。おお、わくわくする)


レビュー調に挑戦↓   したが難しかった 飽きました


表題作『僕から君へ』は友人の死から始まる追憶の物語です。本の帯に『懐かしい日々が甦る』とある通り。「日々」が「甦る」、日々は生き物ではなく簡単な比喩なわけですが、作中の思い出と懐かしさの甦り方といったら凄かった。起こされた思いが紙から溢れるようでした。


主人公・ひろむの嫉妬や安堵、友人・夏己の感情の爆発などその他もろもろ感情表現がほんとに作者の真骨頂。イライラしている人間を描いて、読んでるこっち側をヒヤヒヤさせることがものすごい上手い。昔はこれがとても苦手でした。今はひろむの性格が時に感じ悪く時に怒りっぽく時に卑屈なのが、描き方としてとても好きです。肯定的だと思う。甘やかさず優しい。
それに加えて本編はお話のつくり(展開)がベタといえばベタ且つうわあ卑怯な!と思う方向によくできていらっしゃって参りました。キュー。とても好きです。


追記:同時収録作品
東京少年物語1・2  東京出身の少年が母親の実家がある東北のある町に引っ越してからの色々。読んでみたかったので読めて嬉しい。やっぱり面白かったです。鷹ちゃんかっけえ。そして作中の頼朝・義経話がファンタジーですけど嬉しい。(そういや大河見てない)
がんばってや  青森出身の若者が東京に出てきて意思疎通に悩む。 人とのコミュニケーションにしくじったああー!と思っているときに読みますと、読んでる最中内心があっぷあっぷ たいへんな気分になります。いっぱいいっぱいになります。ただその分読みきったときの感慨も大きい。ノートの会話のオチが好きです。