レミゼ歌詞和訳(対決・バルジャンパート)

あかん楽しい。


◆ミュージカル レ・ミゼラブル第一幕の『対決CONFRONTATION』より
 バルジャン(Valjean)の歌詞のみをセルフ日本語訳してみました。

※原詞は1985年ロンドンオリジナルキャスト版CDから



〜CONFRONTATION 対決〜 より
※音声こちら。
http://musicalfun.blog.fc2.com/blog-entry-171.html#more


Before you say another word, Javert.
(ジャベール、次の言葉を言う前に)

Before you chain me up like a slave again.
(私を再び奴隷のように縛り上げる前に)

Listen to me.
(私の言う事を聞いてくれ)

There is something I must do.
(やらなくてはならないことがある)

This woman leaves behind a suffering child.
(この女性は病に苦しむ子供を残してきている)

There is none but me who can intercede.
(私しかそれを助けられる人間がいない)

In mercy's name, three days are all I need.
(後生だ、三日間ほしい)

Then I'll return.
(そうしたら戻ってくる)

I pledge my word.
(約束しよう)

Then I'll return.
(私は戻ってくる)


(ジャベールの返し)略


Believe of me what you will.
(お前はどうあれ、私を信じてくれ)

There is a duty that I'm sworn to do.
(私には為すべきと誓った使命がある)

You know nothing of my life.
(お前は私の人生など何も知らない)

All I did was steal some bread.
(私はパンを盗んだだけだ)

You know nothing of the world.
(お前は世界のことを何もしらない)

You would sooner see me dead.
(お前はやがて私の死を目にするだろう)

But not before I see this justice done.
(しかしそれは、この正義(子供を救う)が行われてからだ)

I am warning you, Javert.
(警告しよう、ジャベール)

I'm a stronger man by far.
(私は人より相当に力の強い人間だ)

There is power in me yet.
(私の中にはまだ力がある)

My race is not yet run.
(私の命数はまだ尽きていない)

I am warning you, Javert.
(警告するぞ、ジャベール)

There is nothing I won't dare.
(あえてお前に語ることなど何もない)

If I have to kill you here, I'll do what must be done.
(もしこの場でお前を殺さねばならないなら、そうしよう)


And this I swear to you tonight...
((ファンティーヌに)今夜あなたに誓おう…)

Your child will live within my care.
(あなたの子は私が保護する)

And I will raise her to the light.
(そして私が光のもとで育てよう)

I swear to you. I will be there!
(私は誓う。必ずそこへ行くと)


◆感想
・歌詞だけ見ると淡々と腕力に持ち込むバルジャンが怖い人のようだ…実際には後半に行くにつれて話が通じないのでバルジャンが冷静さを失っていく(声を荒げる)、という演技が入るのでここまで怖くない。


・「There is none but me who can intercede.」の「intercede」が「仲裁する、仲を取り持つ、取り成す」とのことで、本来と違っている状態を調整するのが原義のようなので、「可哀相な子供をなんとかする⇒助ける」と単純にしました。


・「Believe of me what you will.」の「what以下」がどうもうまくいかなくて、whateverのように「お前(のすること)はどうあれ」としました。ちょっと日本語が苦しい。「とにかく信じろ!いいから信じろ!何でもいいから信じろ!」なんだと思うので、だとしたら無理に訳す必要ないのかな。


・「My race is not yet run.」ここが一番時間かかった!「Be動詞の後だからrunは過去分詞として、raceがrun(使い果たされる)て何だろう…」と悩んでたら、例文で「His race is run. 彼が死んだのは命数だ」というのがあってあっさり解決。runが「走る⇒流れる⇒流れきる⇒使い果たす」と意味を持つのに対して、raceに「急流」といった『流れ』に関する意味があるようなので、組み合わさって「流れが終わる⇒命脈が尽きる」くらいの言い換えのイディオムなのかなーと想像。楽しい。


・「There is nothing I won't dare.」の「dare」は、ジャベールの「Dare you talk to 〜?」に対しての回答なのだと理解。こういう風に、掛け合いで単語が重複するの楽しい。バルジャンの「You know nothing of the world.」に対してのジャベールの「You know nothing of Javert.」とか、「There is a duty that I'm sworn to do.」に対する「My duty's to the law.」とかな!


楽しかったです。