漫画の合間に読んだ本

ふと気付くと漫画ばっかり読んでいるのですが、たまには漫画ではない本も読みます。「今年は比較的本を買って読んだ気がするので、2009年の内に読んで面白かった(漫画以外の)"本"を並べてみよう!」と考えついたのは昨年12月の初めだった気がしますが、気付けば呆れるような日付に。


読んでから時間が経つと、びっくりするほど内容を忘れてしまうので自分備忘録を兼ねて。基本的に文庫ばっかりです。そして日々増える本の山に、今度引っ越したら住むのは1Fにしようと思っています。


打ちのめされるようなすごい本 米原万里

打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫)

打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫)

色々な雑誌・新聞に書いた書評をまとめた書評集。この本を買ったために、2009年に自分としては比較的新たな本との出会いが増えました。漠然と面白そうと思って附箋を付けたページが大量に。書評収録作品リストから新たに手を出して読み切ったのは現時点で4冊。本年も参考にして、色々読み進めたいです。


座右の名文 ぼくの好きな十人の文章家 高島俊男

ぼくの好きな十人の文章家 座右の名文 (文春新書)

ぼくの好きな十人の文章家 座右の名文 (文春新書)

タイトル通りの『文章家紹介本』。上記書評本掲載本を探しに行った時に、新書の棚でたまたま見つけて即購入。高島さんのいつもの調子で、人物像を紹介したり各人の文章の得意・苦手分野を説明したり。楽しい。挙げられた十人が急に身近に感じられ、寺田寅彦を読むきっかけになりました。


寺田寅彦随筆集 全五巻 寺田寅彦

寺田寅彦随筆集 (第5巻) (岩波文庫)

寺田寅彦随筆集 (第5巻) (岩波文庫)

書影は五巻。短い随筆が多いですが、映画雑感やドイツへ留学した際の日記(抜粋)などの掲載もあって内容は様々。個人的にどの話もとても好きで、昨年後半はずっとこの随筆集を読んでいました。余談:五巻収録「地図を眺めて」の"錫杖"の話の元ネタ(?)と思しき話を正月にTVで見て一人興奮。すげえ!


自壊する帝国 佐藤優

自壊する帝国 (新潮文庫)

自壊する帝国 (新潮文庫)

本屋で見つけて衝動買い。ソ連崩壊の様子を目にした元・外交官のノンフィクション。内容を正しく理解できている気はしないのですが、面白くて何度も読んでいます。遡って読んだ『国家の罠』も面白い。2009年は電車の中吊りや対談などでよく佐藤さんのお名前を拝見した年でした。


アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ
モフセン・マフマルバフ

アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ

アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ

  • 作者: モフセンマフマルバフ,Mohsen Makhmalbaf,武井みゆき,渡部良子
  • 出版社/メーカー: 現代企画室
  • 発売日: 2001/11/01
  • メディア: 単行本
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上の書評本経由で読む機会を得る。テレビの向こうで石仏が爆破される映像はよく覚えています。その時点で、現地で何が起こっていたのかを少しも考えなかった自分のことも覚えています。どういったらいいのかわからない。読んだ後ボーッとしてしまいました。


転がる香港に苔は生えない 星野博美

転がる香港に苔は生えない (文春文庫)

転がる香港に苔は生えない (文春文庫)

上の書評本経由で(略)。1997年7月1日の香港返還前後の様子を、現地に住んで時系列で追いかけたノンフィクション。度々不法入国をして初めて家族一緒の時間を持てる人々。香港人特有の友情と人間関係。考えたことがないようなことばかりで、びっくりしながら読みました。


読書について ショウペンハウエル

読書について 他二篇 (岩波文庫)

読書について 他二篇 (岩波文庫)

「読書とは、他人にものを考えてもらうことである。」という表紙の文字読んで、衝動買い。原典の発行は1851年。古典です。が、とにかく物凄く面白かったです。耳が痛いことも多々。一ページの内容が濃くて噛み砕くのに時間がかかりましたが薄い本なのでめげずに読めた。



内容についてあまり気の利いた感想が書けませんが、面白い本との出会いは、どこの本屋で・どんな風に置いてあって・どうやって選んで買ったか・も含めて非常に楽しい思い出です。一年楽しく過ごさせて頂きまして、ありがとうございましたという気持ち。